
東洋大学教授・竹中平蔵氏【拡大】
具体的には、先の国会で成立しなかったサンドボックス型国家戦略特区をさらにバージョンアップした、ハイパー国家戦略特区のようなイメージが考えられる。この1年、加計問題の影響もあり国家戦略特区を活用した改革はほとんど進まなかった。霞が関には、政府とりわけ官邸主導で改革を進めることへの躊躇(ちゅうちょ)も見られる。
しかし中国の習近平国家主席は、北京から約100キロの地点に未来都市「雄安新区」を造り、自らのレガシーにすると伝えられている。その雄安関係者は、かつて日本政府を訪問し、日本の国家戦略特区について積極的にヒアリング調査し、参考にしているのだ。
国家資本主義の中国と、民主主義・市場経済の日本の事情は大きく異なる面もある。しかしそれでも、時代が大きく変化する局面において政府が強力な主導を行うことは、世界各国で行われている。
スーパー・シティ建設のような政策は、長期政権だからこそできる。将来にレガシーを残すためにも、ぜひこうした政策を実現する必要がある。(たけなか へいぞう)