株急落、米金利上昇が誘発 資金逃避加速、貿易摩擦も影響

下げ幅が一時1000円を超えた日経平均株価を示す株価ボード=11日午後、東京都中央区
下げ幅が一時1000円を超えた日経平均株価を示す株価ボード=11日午後、東京都中央区【拡大】

 10~11日に世界同時株安となった背景には、米国の長期金利上昇が株式からの資金逃避を促したほか、後退していた米中貿易摩擦への懸念が再燃したことがある。米経済も先行きの減速リスクが意識されており、年末にかけての株価再浮上には、今月下旬に本格化する3月期決算企業の中間決算における好業績が必要条件となる。

 「米国から世界全体にリスク回避の動きが波及した」。大手証券の投資情報担当者は急転直下に起こった世界同時株安を分析しながら、「これまで大丈夫と言っていた企業業績が心配になっている」と投資家心理を代弁する。

 株安を引き起こした要因の一つは、米長期金利の上昇だ。企業が抱える負債の金利負担や資金調達のコストが増すため、業績の重しになる。雇用動向など米国経済は堅調だが、金利上昇への警戒感から比較的リスクのある株式を手放し利益を確定する動きから、最近は収益力以上に株価が上昇していた“割高銘柄”が売られていた。

 加えて、米政権幹部の中国批判が10月に強まり、「米中貿易摩擦への影響が改めて意識されはじめた」(大和証券の木野内栄治チーフテクニカルアナリスト)。国際通貨基金(IMF)も貿易摩擦を理由に世界経済見通しを引き下げたほか、中国経済の先行き不安が拡大。中国と貿易関係が深いドイツの株式指数は10日、年初来安値をつけていた。

 市場関係者は、本格化する中間決算シーズンが相場安定のきっかけになればと期待を寄せる。平均株価はまだ長期トレンドを大幅には下回っておらず、イオンモールやエービーシー・マートなど決算が好感された銘柄は11日も株価が上昇した。木野内氏は「浮き足だった相場が決算で地に足をつけるケースは多い」と指摘している。