【JAPAN style】最多更新続く外国人客 ロングステイ促す演出力が鍵 (1/2ページ)

 ■消費上乗せも課題

 日本を訪れる外国人旅行者数は近年、過去最多を更新している。今年は8月15日に2000万人を突破し、1年では3000万人を上回るハイペースだ。世界的な旅行ブームを生かし、さらに多くの観光客をどう呼び込むのか。次の一手は-。

ハワイの半分未満

 沖縄県を訪れた観光客の数が2017年は939万人と、目標としてきたハワイをわずかに超えた。国内が7割、残りが海外からで、台湾、中国、韓国といった東アジアがほとんどを占める。格安航空会社(LCC)の就航やクルーズ船の寄港が伸びに寄与した。

 那覇のメインストリート「国際通り」は、海外から来た家族連れらでにぎわう。だが現状について県観光政策課の仲里和之班長は「ハワイには学ぶべき点がまだまだあります」と話す。観光客1人当たりの平均滞在日数や消費額が、ハワイの半分にも満たないからだ。

 県は「世界水準の観光リゾート地を目指す」との目標を掲げてきた。観光はリーディング産業に育ち、今後収入を増やすには泊まる日数を増やす戦略が重要となる。

 とはいえ、東アジアの人にとって沖縄は、短期間で気軽に訪問できるのが魅力と分析。仲里班長は「東アジアの人には、冬場のオフシーズンでも楽しめるメニューや離島観光を充実させたい。欧米など遠くから来る高級志向の人を増やせば滞在日数も伸びるはず」と戦略を練っている。

 那覇市の「沖縄ツーリスト」は1990年代半ばから訪日客を扱ってきた。「当初は団体が中心でしたが今はほとんどが個人です。多くのお客が旅行ウェブサイトを通して予約されています」と東良和会長が話す。

 情報通信技術(ICT)の発達もあり、パック旅行ではなく自分で予定を立てレンタカーで周遊する旅行が中心となってきた。旅行会社として顧客に直接どう訴えることができるかが鍵という。

 「求められるのは値段の安さではなく、自分だけの体験がある、人との違いが出せる旅行です。消費者は適正な価格を支払う用意はあります」

 今後の観光課題として(1)ナイトプールやマジックショーなどの楽しみを増やす(2)沖縄らしい創作エンターテインメントを上演する劇場をつくる(3)地元の人と観光客が一緒に楽しめる路地裏の居酒屋なども観光資源であると意識する-を挙げる。

続きを読む