【高論卓説】日米から学んだ中国の競争力 皮肉にも科学交流は貿易戦争の要因に (3/3ページ)

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 トウ小平時代には韜光養晦(とうこうようかい)(自らの力を隠し蓄えること)に徹していた中国だが、世界第2位の経済大国の地位を固めた習近平政権は、インターネットとハイテク産業に関する産業政策の「中国製造2025」を策定し、さらに35年に米国を経済で抜き去り、50年には軍事面でも優位に立つと宣言するなど、従来と違った姿勢を打ち出している。皮肉にも、科学交流が結果的に技術流出や中国の政府・企業による米企業の知的財産権侵害につながり、現在の米中貿易戦争の要因の一つとなっている。

 間もなく開催される日中首脳会談で、これまでほとんど触れられることのなかった日本の中国への支援を中国がどう評価し、どう報道するのか、今後の日中関係の行方を占う上で注目したいと思う。

【プロフィール】森山博之

 もりやま・ひろゆき 旭リサーチセンター、遼寧中旭智業研究員。早大卒後、旭化成工業(現旭化成)入社。広報室、北京事務所長などを経て2014年から現職。60歳。大阪府出身。