日中首脳会談 通貨スワップ、第三国インフラ共同開発 経済協力へ環境整備は前進 (1/2ページ)

北京で開かれた「第三国市場協力フォーラム」=26日(共同)
北京で開かれた「第三国市場協力フォーラム」=26日(共同)【拡大】

 安倍晋三、李克強両首相は26日の首脳会談で、通貨スワップ(交換)協定再開や第三国でのインフラ共同開発で合意した。少子化で日本の国内市場が縮小する中、日系企業にとり、地理的にも近い中国経済の成長を取り込むことは喫緊の課題だ。安全保障面で中国を警戒する日本政府も、経済協力に向けての環境整備は進めざるをえない。

 「競争から協調へ、日中関係を新たな時代へ押し上げたい」。安倍首相は会談冒頭、こう述べた。

 日本銀行と中国人民銀行(中央銀行)が円と人民元を融通しあう通貨スワップ協定は、上限が3兆4000億円と、失効前の約10倍まで引き上げられた。

 今回の協定は、中国に進出している日系企業がシステム障害などで元決済ができなくなった場合、人民銀から日銀を通じて元を提供するという「日系企業の支援を目的としたもの」(財務省幹部)となっている。

 一方、インフラ開発での協力は日系企業の商機を広げる狙いがある。これまで日中は、海外でのインフラ開発をめぐり、激しい受注競争と値引き合戦を繰り広げてきた。協力が進めば無駄な競争がなくなり、値引き合戦がもたらす企業収益の悪化も避けられるようになる。

 中国の経済成長率は6%台に達し、日本の1%台を大きく上回る。日系企業にとって、中国市場の取り込みは不可欠となっている。

 財務省幹部は、すでに日中経済は「一体化している」と指摘する。貿易統計によると、2017年度の対中輸出額が15兆1873億円で、輸出総額の19.2%を占め国別で首位だった。中国に進出している日系企業の拠点数は3万超。中国の景気が日本の企業業績に直結する状況となっている。

続きを読む