米中貿易摩擦、金融政策にも影響 日銀、経済の先行き懸念 (2/2ページ)


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 実際、9月の中国向け工作機械受注額は前年同月比22%減と7カ月連続で減少するなど、投資を手控える動きが出ている。さまざまな経路で影響が波及する見通しだが、サプライチェーン(部品の調達・供給網)が複雑で影響を読み切れないとの不安も広がる。

 黒田氏は「一番は米中摩擦だが、その他の海外リスクも注視する必要がある」とも指摘する。米長期金利の上昇によって投資家のリスク回避姿勢が強まり、米株価は急落、日本を含む各国にも連鎖した。新興国からの資金流出や、英国のEU離脱交渉が難航するなど、海外経済の不確実性は日増しに高まっている。

 経済の先行き懸念が強まれば、日本でも企業が設備投資を手控え、個人消費が減速して物価上昇の足かせになりかねない。2%の物価目標の達成が一段と遠のくようだと、安倍晋三首相が示した3年以内に金融政策の正常化に道筋をつけたいという方向性に影響が出る。(万福博之)