域内での工業製品の関税が下がれば先進国の日本などの貿易には有利だが、インドやミャンマーなど工業が十分に育っていない国には不利になる。こうした新興国に配慮するため、自由化率の目標達成までの猶予期間を設けることも検討している。
それでも、対中国赤字の拡大に警戒感を強めているインドが高い自由化率に難色を示すなど、参加国の間では隔たりが大きい。
ルール分野でも対立がある。知的財産権保護や電子商取引、投資などの高水準なルール整備に消極的な中国やインドと、「質の高い協定」(世耕氏)を求める日本やオーストラリアなどとの間には開きがあり、交渉は難航している。
今回の閣僚・首脳会合で実質的な妥結に至らなければ、大幅な軌道修正を迫られ、最終合意が遠のく恐れがある。(大柳聡庸)