【経済インサイド】国債消化で日本に“指南”求める 貿易戦争で苦しい中国、財政政策拡大か (3/3ページ)

財務対話の写真撮影を終え、握手を交わす中国の劉昆財政相(中央右)と麻生財務相(同左)=10月31日、北京の釣魚台迎賓館(共同)
財務対話の写真撮影を終え、握手を交わす中国の劉昆財政相(中央右)と麻生財務相(同左)=10月31日、北京の釣魚台迎賓館(共同)【拡大】

  • 日中財務対話に出席した麻生財務相(左から2人目)=8月31日、北京の釣魚台迎賓館(共同)

 08年秋のリーマン・ショック直後、中国はいち早く4兆元(約66兆円)の経済対策を打ち出し、鉄道、高速道路などのインフラ整備へ公的資金を投入。ほかの国に先駆けて景気回復を実現し、世界経済の復活を牽引(けんいん)した。この間、中国のGDPは日本を抜き、世界第2位の経済大国へと躍り出ている。

 だが、大規模な経済対策を打ち出したことをきっかけに債務が膨らみ、政府と、金融部門を除く民間部門を合わせた債務の対GDP比は261%と、08年の141%から大きく増加。問題視した習政権は18年になり、全国の地下鉄建設計画を凍結するなど、インフラ投資の抑制へ方針を切り替えていた。トランプ米政権が仕掛けた「貿易戦争」による景気後退は、債務問題に目をつむり、再び財政をふかさざるをえない状況に中国を追い込んだのだ。

 ただ、たとえば今、中国の不動産価格の上昇はバブルの様相を呈しているが、今後、債務が膨らむ中でバブルが弾ければ不良債権が山積し、中国の景気は一気に冷え込むことになりかねない。一大消費地である中国へ輸出したり、中国で安いコストでモノを作ったりしている世界各国にとっては、大打撃だ。日本のまねをして国債発行を加速し財政政策を強化することが、中国経済と世界経済の崩壊につながらないか-。習政権のかじ取りに注目していく必要がある。(山口暢彦)