進化する脅威
マイクロンの訴状や、同事件を扱った米紙ニューヨーク・タイムズの報道によると、晋華はDRAM量産に求められる技術を持っておらず、自前で開発するには時間がかかることから、マイクロンからの秘密窃取を狙ったとされる。
晋華をめぐっては、米商務省が10月29日、同社が米輸出管理規則(EAR)に違反し「安全保障を脅かした」として、同社に対する部品輸出を制限すると発表していた。
中国の知的財産侵害を問題視するトランプ政権は、中国からの総計2500億ドル(約28兆円)相当の輸入品に追加関税を課す制裁措置をとっている。ただ、関税上乗せは輸入品への課税と同じで、米国内で中国製品の価格上昇につながる。大規模な関税適用の期間が長引けば、国内経済への悪影響も広がる恐れがある。
一方、米企業から晋華への部品供給を制限する「輸出規制」は、米商務省が4月に中国通信機器大手「中興通訊(ZTE)」に発動した措置と同じ類型の対抗策だ。措置を受けてZTEは、米国からの重要部品の供給が途絶えて一部事業の停止に追い込まれ、後に禁輸が解除されるまでに経営難に陥る苦難を味わった。
米政府は、この強力な措置を晋華に発動した上で、さらに刑事事件として産業スパイを摘発した。米司法省は1日の記者会見で、中国に機密を持ち出す産業スパイ事件の検挙を本格化させる「チャイナ・イニシアチブ」を発表。「米経済に対する新たな、進化する脅威」(セッションズ司法長官=当時)への対抗姿勢を鮮明にした。
米当局が把握し、米企業からの技術持ち出しが疑われる案件で、事件化されていない産業スパイのさらなる立件を司法省は検討している模様だ。