消費税増税 膨らむ政府対策、導入・周知に不安も

 政府の消費税増税対策は、現金以外での決済時の5%ポイント還元など最近新たに浮かんだ家計支援策を盛り込み、メニューが膨らんだ。財政規律の緩みだけでなく、制度ごとに利用できる人や店舗が異なるなど複雑になったことで、導入や周知への不安も出ている。

カード参加不透明

 5%のポイント還元は中小の小売店、飲食店などでクレジットカードや電子マネーといった「キャッシュレス」で支払った際に限定。実施期間は、2019年10月の増税から20年6月末までの9カ月間とする。

 増税後は本体1万円の商品に10%(1000円)の消費税がかかるが、国の負担で通常のポイントに5%(500円)相当の価値を持つポイントが上乗せされる。これを他の買い物で使い切ると事実上の税負担は今の8%を下回り、半分の5%に低下。8%の軽減税率が適用される飲食料品では3%となる「実質減税」だ。

 還元総額に上限はなく、消費額の多い人ほど有利だ。またカード会社などはシステム対応や、政府の要請で決済手数料の引き下げを迫られるため、そろって参加するかは不透明。各社の対応がばらつけば消費者の戸惑いを招きそうだ。

商品券は対象拡大

 低所得者らには一定期間、プレミアム付き商品券が用意される。1人当たりの購入限度を2万円とし、最大2万5000円の買い物ができる券を少額から買えるようにする方向で、公明党は「500円単位」を例示した。大型店の支払いにも使える半面、エリアは発行自治体内に限られる。

 当初は住民税非課税の人に絞る方向だったが、0~2歳の子供を持つ親も対象になった。19年10月の幼児教育無償化で0~2歳児に対し所得制限がかかることへの配慮からだ。富裕層を無償化の対象に含めること自体に異論が根強い中、商品券の対象を広げた妥当性が問われそうだ。

 さらに、マイナンバー制度を活用した「プレミアムポイント」も示された。民間カード会社などのポイントを交換して個人番号カードにためておき、地元商店などで使える「自治体ポイント」制度を対象として、国費で交換率を上乗せする。

 だが、ポイントに対応可能なのは今年10月時点で約70自治体にとどまる。準備に時間をかけるためキャッシュレスのポイント還元終了後の開始を見込むが、「屋上屋」のような制度がどこまで広がるかは見通せない。