
NHK放送センター=東京都渋谷区【拡大】
総務省の有識者検討会は30日、NHKが平成31年度中の実現を目指しているテレビ番組のインターネット常時同時配信を了承した。出席した石田真敏(まさとし)総務相は「制度整備の検討調整を進める」と述べ、実現に必要な放送法改正案が来年1月召集の通常国会に提出される見通しとなった。
現行の放送法ではNHKが番組を24時間配信することは認められていない。有識者検討会はその実施条件として受信料の見直しなどを求め、NHKは11月27日、来年10月の消費税増税時は受信料額を据え置き、32年10月に受信料収入の約2・5%分を値下げすると発表していた。
30日の有識者会議で、NHKは常時同時配信は放送の補完と位置づけ、受信契約者に追加の負担を求めない考えを強調。事業費の内訳などを公表するとした。在京民放5社などが提携する見逃し番組のネット配信サービス「TVer(ティーバー)」に31年度から参加できるよう具体的な調整に入ったことも明かした。
ただ、民放各社にはNHKの肥大化に慎重な声も根強い。NHKは現在でも大災害時などに同時配信を実施しており、インターネット活用業務の費用は受信料収入の2・5%を上限としている。
日本民間放送連盟(民放連、大久保好男会長=日本テレビ社長)は上限の維持を求めているが、NHKはこの日、「適正な上限の中で、抑制的に管理する」と述べるにとどめ、具体的な水準は明らかにしなかった。
民放連の永原伸専務理事は「(2・5%の上限が)引き続き維持されるかどうかという点があいまいであるのは残念。安易な引き上げは市場の競争を阻害する」と懸念を示した。