トランプ氏、米露首脳会談の中止を発表「ウクライナの艦艇返還してない」

G20サミットへの出発前に記者団の質問に答えるトランプ米大統領=29日、ホワイトハウス(ロイター)
G20サミットへの出発前に記者団の質問に答えるトランプ米大統領=29日、ホワイトハウス(ロイター)【拡大】

 【ブエノスアイレス=黒瀬悦成】トランプ米大統領は29日、ブエノスアイレスで開かれる20カ国・地域(G20)首脳会議に出席するため大統領専用機でワシントンを出発した直後、現地で予定していたロシアのプーチン大統領との首脳会談を中止するとツイッターで表明した。

 トランプ氏は、ロシアがウクライナ海軍の艦艇を銃撃し拿捕した事件に関し「ロシアはウクライナの艦艇と水兵をいまだに返還していない」と指摘し、「プーチン大統領との間で予定されていた会談を中止するのが全ての当事者にとって最善であると判断した」としている。

 トランプ氏はその上で、「今回の問題が解決し次第、(プーチン氏と)再び意義のある首脳会談ができるのを楽しみにしている」と強調した。

 サンダース大統領報道官によると、トランプ氏は専用機の機中で会談中止を最終決断した。米露首脳が事前に電話で協議したかどうかについては「承知していない」としている。

 トランプ政権はこれまで米露会談の日程などの詳細を正式に発表せず、トランプ氏も米紙ワシントン・ポストに対し27日、今回の事件を理由に「会談は行わないかもしれない」などと述べていた。

 一方、ロシア政府は27日、「会談は1日に行う」と一方的に発表。トランプ氏による中止表明直後には「正式な情報は得ていない」(ペスコフ大統領報道官)としており、トランプ氏は今回の事件で強硬姿勢を崩さないプーチン政権に決然とした態度を示す狙いも込め、急きょ会談を中止したとみられる。