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COP24、パリ協定ルール採択 温室ガス削減、途上国も同基準で

 ポーランド・カトウィツェで開かれた国連気候変動枠組み条約第24回締約国会議(COP24)は15日(日本時間16日)、2020年に始まる地球温暖化対策の国際枠組み「パリ協定」の実施ルールを採択し閉幕した。先進国と発展途上国が、共通の厳しいルールの下で温室効果ガスの排出量削減を進めることになった。

 15年に採択されたパリ協定は、産業革命以前より世界の気温上昇を2度未満、できれば1.5度未満に抑える目標などの大枠を定めるが、実施には詳細なルールが必要だった。COPは先進国と途上国の対立で協議が難航。14日までの会期を延長した。

 実施ルールでは、各国は先進国と途上国の区別なく効果ガス削減の目標設定や取り組みの検証について、共通の厳しい基準を設ける。中国などにも確実に削減させたい先進国に対し、途上国は十分な技術・能力がないとして緩やかな基準を求めて対立したが、検証で途上国に一定の柔軟さを認めることで折り合った。また、先進国は20年から2年ごとに可能な範囲で途上国への将来の支援額を示すことにした。議論が難航したことから、一部ルールの合意は先送りされた。

 各国は事実上、削減目標引き上げの検討も促された。10月に国連の気候変動に関する政府間パネル(IPCC)が気温上昇を2度未満に抑えても海面上昇による国土消失リスクが高まるとする報告書を公表しており、今後の焦点ともなりそうだ。(カトウィツェ 宮下日出男)

【用語解説】パリ協定

 地球温暖化の深刻な被害を避けるための国際協定で、京都議定書に代わり2020年から始まる。今世紀後半に世界の温室効果ガスの排出を実質ゼロにし、産業革命前からの気温上昇を2度未満、できれば1.5度に抑えるのが目標。全ての国が削減目標を掲げて国内対策に取り組み、その状況は5年ごとに検証し、目標の引き上げを図る。トランプ米大統領は昨年6月、離脱を表明したが、協定の規定で20年11月までは抜けられないことになっており、米国もルール作りの交渉に参加した。(共同)

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