世界に羽ばたく人材
ダスグプタさんがもう1つ指摘した要素「先進国に移住した中産階級以上の活躍」が、大きく寄与したのかもしれない。
実際、インドの人材は海外で羽ばたいている。やや古いデータだが、インド上院に2008年3月に提出された資料によると、米航空宇宙局(NASA)で勤務する科学者の37%がインド出身ともされる。グーグル最高経営責任者(CEO)のサンダー・ピチャイ氏や、マイクロソフトCEOのサティア・ナデラ氏ら国外で活躍するインド人出身の企業人は多く、理系出身者が中心だ。
10月には、フリーマーケットアプリ大手「メルカリ」(東京)が32人のインド人を新卒採用したことでも話題となった。
「世界で活躍する多くの人材を輩出しているのが、インド工科大学(IIT)を頂点とした理系の高等教育だ」と話すのは、ベルール工科大(南部タミルナド州)元理事のアナンド・サムエルさんだ。
IIT入学は「マサチューセッツ工科大学入学より困難」とも比喩され、入学してからの授業内容も厳しく、学生の自殺が問題化するほど激しい競争が展開される。このあたりのトップ校の学生生活は、日本でも話題となったインド映画「きっと、うまくいく」に描写されている。
卒業が近づくと、世界中の大企業から担当者が校舎を訪れ、優秀な生徒を採用する。卒業生は年収10万ドル(約1130万円)を軽く超える初任給で就職していく。サムエルさんは「厳しい競争を勝ち抜いた一部のエリートの活躍が、インド人は数字に強いというイメージを作り上げているのだろう」と話す。