社会保障費、自然増4768億円…予算案、選挙にらみ切り込み不足 (2/2ページ)


【拡大】

  • 日本医師会の横倉義武会長(萩原悠久人撮影)

 来年は参院選や統一地方選があり、国民の反発を招く負担増は徹底的に排除。後期高齢者医療制度の保険料軽減措置を来年10月に廃止するに当たり負担増となる対象者には1年間限定で負担増を猶予するほどだ。地域医療・介護の態勢強化で設けられている「地域医療介護総合確保基金」の200億円積み増し、医療機関のIT化推進のための基金300億円の創設も、業界団体への配慮の色が強い。妊婦加算の凍結に安倍首相が動いたのも、選挙対策の一環といえる。

 ただ、今回の予算編成の裏テーマは、34年度から急激に増える社会保障費を抑制するための材料をどれだけ温存しておくかだった。参院選が終われば、政府内で負担増を含む社会保障改革の議論も始まる見通しで、「いかにショックを抑えるかがポイントになる」(閣僚経験者)。31年度予算編成は嵐の前の静けさに過ぎないともいえる。(桑原雄尚)