平成最後の予算、景気対策に「施策総動員」 消費増税の影響に不安

閣議に臨む(左から)石井国交相、茂木経済再生相、安倍首相、麻生財務相、河野外相=21日午前、首相官邸
閣議に臨む(左から)石井国交相、茂木経済再生相、安倍首相、麻生財務相、河野外相=21日午前、首相官邸【拡大】

 「平成最後」となった31年度予算案は、一般会計総額が初めて100兆円を超えるという「未踏の領域」に達した。31年10月の消費税増税に備え景気対策で万全を期したことが大きい。増税に耐えられるほど日本経済が強くないという政府の不安感の裏返しともいえ、約6年続く安倍晋三政権の経済政策「アベノミクス」の効果を改めて検証する必要がありそうだ。

 景気対策のメニューは「施策の総動員」(安倍首相)となり、金額は2兆円超まで膨らんだ。来年夏に参院選を控え、「増税で景気に悪影響は及ぼさない」と訴える狙いもある。

 今回の景気対策の特徴は、消費者に見えやすい形で痛税感を和らげたことだ。キャッシュレス決済による買い物には最大で税抜き価格の5%分のポイントを還元し、2%の増税幅を上回る実質減税とした。

 だが、歳出拡大はとうてい税収で賄えず、31年度予算での借金に当たる新規国債発行額は、歳入に占める割合が前年度と大差ない約32%に達した。

 政府が財政健全化を遅らせてまで景気対策の手を広げたのは、26年4月の消費税率8%への増税後、消費の冷え込みと景気低迷を長引かせた反省がある。政府が今回も同じ事態を恐れているのは、日本経済には増税のショックに耐えられるだけの体力がついていないと考えているからだ。

 これまで企業収益や雇用環境は改善したが、個人消費は力強さを欠く。経済の実力を示す潜在成長率は30年7~9月期に1.0%と、24年12月の第2次安倍政権発足時から0.2ポイント程度しか改善していない。

 景気対策という一時的なカンフル剤だけでは効き目に限界があり、経済の根本的な強化に向け何が重要か、いま一度考える必要がある。(山口暢彦)