米中次官級協議、きょうまで延長 知財など主張に隔たり (1/2ページ)

 【北京=西見由章】米中貿易摩擦の緩和に向けた両政府の次官級協議は8日、北京で2日目の会合が開かれた。ロイター通信によると、米側交渉団の一人は8日夜、同日で終了予定だった協議日程を9日まで延長することを記者団に明らかにした。

 今回は「次官級」協議だが、香港紙サウスチャイナ・モーニング・ポスト(電子版)は、7日の会合に中国側から王受文商務次官のほか対米通商交渉の責任者である劉鶴副首相らが出席したことを示す写真を報道。中国外務省の陸慷(りくこう)報道官は8日の記者会見で、劉氏が「開幕式に出席」したと説明した上で「中国側の交渉責任者として、双方の代表にあいさつするのは道理にあう」と述べた。

 劉氏らの協議出席は経済の下押し圧力が強まる中で対立を回避したい中国側の積極姿勢の表れといえる。ロイター通信によると中国の国有企業は7日、先月以来3度目となる米国産大豆の大規模購入を行った。米産品の輸入拡大を通じた貿易不均衡の是正に関しては中国側にとって譲歩の余地が比較的大きいとされる。

 ただ、知的財産権の保護や中国のハイテク戦略の在り方、非関税障壁の解消などの問題は米中の主張に相当の隔たりがあり、閣僚級協議などに持ち越されるとの見方が強まっている。

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