ほとんどの人の肌感覚は「景気はよくない」中で…“戦後最長景気”でトクをしたのは誰なのか (2/4ページ)

※写真はイメージです(写真=iStock.com/stella_photo20)
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 景気拡大にも強弱があります。力強い景気拡大の場合には、プラスの成長が続くことが多くなります。一方、2018年のようにプラスとマイナスが入り混じる状況は、景気に力がなく、景気後退期に入る兆しだと理解されています。

 今回の景気拡大で儲けた人・企業とは

 多くの人には実感がないようですが、今回の景気拡大期に、「しっかり儲けた人・企業」もいます。例えば、米国や中国など海外で活躍した企業です。

 中国経済はここにきて減速傾向を鮮明にしていますが、それでも最近までは輸出や現地生産などで、利益を確保してきました。自動車メーカーやそれに付随する工作機械メーカー、そして、現地で店舗を展開する流通業も業績を確保してきました。さらには、それらの企業の国内での工場や機械設備などの設備投資や、東京オリンピック関連で恩恵を受ける建設業なども比較的調子が良かったと言えます。

 もうひとつ業績が良かったのはインバウンド関連です。少し指標を見てみると面白いことが見えてきます。

 GDPの5割強を支えているのは、家計の支出(個人消費)ですが、これは、この長い景気拡大期でも、まったくさえませんでした。とくに消費税増税があった2014年度の落ち込みはひどく(実質でマイナス5.1%)、15年度、16年度もマイナスが続きました。この結果、8%から10%への消費税増税が2回延期されたのです。

 17年度に入って、家計の支出はようやく0.2%とわずかにプラスになりましたが、18年度も前年比マイナスの月が多くなっています。繰り返しますが、GDPの5割強を家計の支出が支えており、それに力強さがないので、多くの人が成長を実感できないのです。

売る側の統計を見ると意外な事実が浮き彫り