印、日本の技術で省エネ実現 国立医療機関でIT駆使し実験

省エネシステムの実証実験が行われている全インド医科大学=ニューデリー(共同)
省エネシステムの実証実験が行われている全インド医科大学=ニューデリー(共同)【拡大】

 インドの首都ニューデリーにある国内最大規模の国立医療機関、全インド医科大学(AIIMS)で、日本の先端技術を活用した大規模な省エネシステムの実証実験が2018年10月から行われている。病院を併設しているAIIMSでは、患者数が年々増加し電力不足への対応が課題となっており、ITを駆使し消費電力の削減や病院の効率向上を目指す。

 実証実験は、AIIMSと日本の新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)が共同で実施し、日立製作所のシステムが導入されている。期間は20年3月までで、約17億円の費用のうち8割をNEDOが負担する。

 13億人超の人口を抱えるインドは、経済成長とともにエネルギー消費も拡大。電力事情は深刻で、12年7月にはニューデリーを含む北部で大規模な停電が発生し6億~7億人の生活に影響が出たこともあり、エネルギー効率の向上が急務となっている。インド政府は年間約250万人の外来患者の治療に当たるAIIMSをモデルとし、ほかの病院にも取り組みを拡大したい考えだ。

 実証実験では、新たに設置した太陽光発電と既存の電気設備をネットワーク化し、施設ごとの電力供給を調整して無駄を抑える。日本製の高効率な空調機器やLED照明も導入。14年度と比較して30%の電力削減を目標としている。NEDOによると、これにより1年で1億6000万ルピー(約2億5300万円)の節約が可能になるという。

 また、インドではAIIMSなどの公立病院で施設の老朽化が問題になっているほか、カルテやエックス線写真の電子化も進んでいない。実証実験では、診療科目ごとに管理していたカルテなどの医療データを一元管理する新たな電子システムも導入。病院全体でデータを共有し、効率を向上させる。

 NEDOニューデリー事務所の村上貴将所長は「日本の先進的な技術や知見を、インドの医療現場に生かしたい」と話している。(ニューデリー 共同)