リーマン危機後、日本を含む先進国の経済は、急激に成長することも落ち込むことも少なくなり、景気の変動がさほど大きくなくなった。その結果、従来のように景気の「山」や「谷」を明確にしづらくなった面はあるだろう。
実際、民間エコノミストの中には、8%増税後の一時期、実質的には景気後退局面だったとみなしてもおかしくないという見方もある。そうだとすれば、戦後最長という評価自体が成り立たなくなる。
それほど微妙な景気動向だったということは改めて銘記しておくべきだ。聞こえのいい景気判断が出たからといって、これを額面通りに受け取るわけにはいかないのである。
一連の統計不正を改めて持ち出すまでもなく、客観データを適正に集め、それに基づく適切な分析・評価を行うことは、経済政策を進める上で極めて重要な必要条件となる。証拠に基づく政策立案(EBPM)の推進は、骨太方針にも記載された政権の基本路線だ。
だからといって、都合のいいデータや指標ばかりを持ち出すようでは経済の実態を糊塗(こと)しかねない。政権の経済政策を適切に評価するためにも、その点を厳しく吟味することは無駄ではない。