適法民泊をデータベース化 仲介事業者とも共有、健全化を促進

民泊を活用する訪日外国人観光客は増えている=東京・浅草
民泊を活用する訪日外国人観光客は増えている=東京・浅草【拡大】

 政府が適法な民泊の宿泊施設のデータベースを3月末までに構築する方針を固めたことが18日、分かった。民泊の運営者は昨年6月に施行された住宅宿泊事業法(民泊新法)や旅館業法などに基づいて届け出を行っているが、法律ごとに所管する官庁が異なり、網羅的なデータベースは存在しない。政府はデータベースをエアビーアンドビーなど民泊仲介サイト運営事業者とも共有し、民泊の健全運営を後押しする。

 民泊は主に民間の住宅を活用した宿泊サービス。一般人でも民泊仲介サイトで宿泊者を募るなどして運営することができる。民泊運営者は観光庁が所管する民泊新法、厚生労働省が所管する旅館業法、内閣府が所管する国家戦略特別区域法などに基づいて届け出を行わねばならない。

 また民泊新法の施設は住宅地でも営業できたり、旅館業法の施設は宿泊場所を多人数で共有する簡易宿所(簡宿)としての営業になったりするなど、法律ごとに運営条件に違いがある。

 政府は既にこれらの多様な民泊についてデータベース化に着手。全ての適法な施設をとりまとめ、政府の民泊制度運営システム(民泊制度ポータルサイト)に掲載する。データベースは仲介サイト事業者にも公開し、適法な施設として“お墨付き”を与えた施設を明らかにすることで、健全な民泊普及を進める。

 民泊新法に基づいた施設は民泊ポータルサイトで電子書類を登録するため、データベース化が容易だ。しかし旅館業法や特区法に基づいた施設では、民泊運営者が自治体などに用紙で登録するため、データベース化が進んでいなかった。

 観光庁が公表した昨年9月末時点の民泊施設の調査では、事業者の氏名や施設の住所が届け出と異なっているなどして適法と確認できなかった施設は、約4万2000施設のうち16%に当たる約6600施設だった。20%だった昨年6月15日時点の調査から改善したが、全容把握からは遠い。政府は2020年までに訪日外国人を4000万人に増やすとしており、外国人利用者も多い民泊の適法性確保は喫緊の課題だ。