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担い手不足・放棄地を解消も…ソーラーシェア、現状の課題は (2/2ページ)

 ただ、千葉大の倉阪教授によると、ソーラーパネルを設置後、作付け作物は、「ミョウガ」「サカキ」「しいたけ」「米」などに偏っているという。特に「しいたけ」は、「日がまったく当たらない倉庫でも栽培できるので、あえて農地でやる意味がない。ソーラーシェアリングの体をなしていない」と問題点を指摘する。ほか、ある地域では、「レッドクローバー(紫ツメクサ)」の栽培許可が下りた途端、周辺農家が一斉申請するケースが続出し、その地域がレッドクローバーだらけになったという。こうした計画性のない事例が続けば、「出荷価格に影響しかねず、持続的な営農ができない」(倉阪教授)とみている。

 農業現場では、担い手の減少、高齢化の進行などにより労働力不足が顕著となっており、こうしたソーラーシェアリングなどの取り組みは、収入増に直結するため、農家の継続性や新規参入を促す追い風になることは間違いない。ただ、電力の買い取り価格は年々下がっており、導入を躊躇(ちゅうちょ)する農家が多いのも事実だ。農家が導入を「有益な手段」と判断できるような優遇措置を検討するなど制度を修正していく必要もありそうだ。(飯田耕司)

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