「仮想通貨で資金」自治体に試練 独自財源へ期待も…流出事件で強まる規制 (1/3ページ)

福岡県飯塚市で取材に応じる「チェーントープ」の正田英樹社長
福岡県飯塚市で取材に応じる「チェーントープ」の正田英樹社長【拡大】

 仮想通貨技術を使った新たな資金調達手法「ICO(イニシャル・コイン・オファリング)」の実現を目指す自治体が増えている。既に岡山県西粟倉村と長崎県平戸市が実施を表明。関係者は、自力の資金調達手段を持つことで、国に依存しがちな地方の姿を変える可能性もあると期待する。だが政府は仮想通貨全般への規制強化に乗り出しており、計画は試練に直面している。

 ルールづくり後手

 「コインチェックの事件の前後で状況が一変した」。自治体によるICOを技術面から支援する福岡県飯塚市のベンチャー企業「チェーントープ」の正田英樹社長(46)は表情を曇らせた。

 2018年1月、仮想通貨交換業コインチェックから580億円相当の仮想通貨が流出。この事件をきっかけに金融庁は産業育成的な姿勢から規制強化に転換した。チェーントープ関係者によると、金融庁担当者から当初は好感触を得ていたが「事件後に会うと意気消沈していた」という。

 海外のベンチャー企業の間で広まったICO自体にも問題が噴出していた。低コスト、短時間で資金調達ができる画期的な仕組みとされた一方、投資家保護のルールづくりは後手に回り「詐欺案件が多い無法地帯」(業界関係者)になっていた。金融庁は今後、金融商品取引法の改正などを通じてICOの規制も厳格化する方針だ。

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