専欄

「春晩」が映し出す中国の世相、今回は (2/2ページ)

青樹明子

 今年の「春晩」が批判した世の中の出来事は何か。一番人気だった「オフィス物語」では、ずさんな管理方式で職場内にコミュニケーション不足が起きていること、また大物スター葛優氏の出演で注目を集めた「“息子”がやってきた!」では頻発する高齢者詐欺を扱った。「席を占める」では子供の教育を全て学校に丸投げする親への疑問を呈し、「芝居をお見せしよう」では上司をからかう村主任を皮肉っている。

 一方の称賛組は「プラットホーム」で春節も休まず任務に就く鉄道警察の目を通して描く若い夫婦の情愛、「愛の運転代行」では起業に失敗しても屈せず頑張る創業者の姿を、それぞれ描き出した。

 中央テレビの「春晩」は説教臭くて面白くない、という人は多い。それでも、これだけ多くの人が視聴し、社会に論争を巻き起こすテレビ番組というのは、世界でも例を見ないというのも事実である。

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