個人消費の落ち込みがより顕著に表れたのが26年4月に8%へ増税したときだった。増税幅が3%と大きかったことに加え、前年から東日本大震災の復興に必要な財源を確保するための復興特別所得税が導入されたこともあり、26年度の個人消費は前年度の302兆円から294兆円と急落した。
こうしたことを教訓に「経済に影響を及ぼさないよう、あらゆる施策を総動員する」(安倍晋三首相)と講じられたのが、今回の消費税増税対策だった。
その規模は、31年度予算で2兆円もの対策費を計上したほか、住宅ローン減税の拡充などを含めると計約6兆6000億円で、10%への増税によって生じるとされる6兆3000億円の国民負担増を上回るものとなった。
充実した対策が講じられたことで藤田氏も「個人消費への影響は過去2回の3分の1程度にとどまり、腰折れは回避できるのではないか」と話す。
しかし、懸念がないわけではない。第一生命経済研究所の星野卓也副主任エコノミストは「米中貿易摩擦など海外経済の動向や、日米の物品貿易協定(TAG)交渉の結果次第では景気が想定以上に悪化するリスクは十分にあり得る」と話す。
足元では米中貿易摩擦の影響で、中国経済の減速が顕在化し日本の輸出や生産も鈍化。国内経済も3月の月例経済報告で、景気判断を3年ぶりに引き下げるなど、減速懸念が広がっているためだ。