欧州各国と対中連携強化へ 首相歴訪、一帯一路・5Gの懸念共有

日米欧中の相関図
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 安倍晋三首相は22日からのフランスなど欧州歴訪で、影響力を拡大する中国をにらんだ連携強化を各国首脳に呼び掛ける方針を固めた。米国が問題視する中国の巨大経済圏構想「一帯一路」や、第5世代(5G)移動通信システム整備への対応をめぐり欧州連合(EU)側と懸念を共有。中国に対し、国際社会で責任ある役割を果たすよう促す狙いだ。

 中国の習近平国家主席は3月に訪欧し、先進7カ国(G7)で初めてイタリアと一帯一路に関する覚書を交わした。李克強首相も今月、クロアチアで中東欧16カ国首脳との会議に出席し、インフラ協力の強化を確認するなど経済連携を深めている。EU内では中国による切り崩しに警戒感が出ており、日本側はEUの結束を求めたい考えだ。

 安倍首相は22日からフランス、イタリア、スロバキア、EU本部があるベルギーを訪問。引き続き米国とカナダも訪れ、6月の大阪での20カ国・地域(G20)首脳会合への協力や対中政策、自由で公正な貿易の発展など幅広い議題について各首脳と意見交換する。

 政府関係者によると、今回の歴訪で首相は、第三国への開発支援で「質の高いインフラ」整備を進める方針を説明。一帯一路をめぐる協力に関し「対象国の財政健全性、プロジェクトの開放性、透明性、経済性」の4条件を満たす必要があるとの考えに理解を求める。

 中国情報機関との関連が指摘される通信機器大手、華為技術(ファーウェイ)を念頭に、5Gに関する安全対策の重要性も伝達。中国の知的財産権侵害や国有企業への補助金をめぐり、中国が具体的な措置を講じるべきだと申し合わせたい意向だ。

 EUは3月、経済面を中心に対中戦略を見直す方針を決定。中国の補助金の是正やサイバーセキュリティーなどについてEU内の一致した行動を目指している。