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指針明確化は「政策への信認」維持 円高防止目的か 日銀、4月決定会合の主な意見

 日本銀行は10日、4月の金融政策決定会合での主な意見を公表した。政策指針であるフォワードガイダンスを修正し大規模金融緩和による超低金利を「少なくとも令和2(2020)年春頃まで」続けると明確化したことをめぐり、政策委員から超低金利を維持する期間を具体化することで市場関係者の政策への信認を保つよう求める声が出た。

 「強力な金融緩和の継続への信認を強化するため、極めて低い金利水準を維持する期間を具体的に示すなどフォワードガイダンスを明確化することが適当だ」

 委員からこうした声が上がったのは、会合後に公表した「経済・物価情勢の展望(展望リポート)」で新たに示した3年度の物価上昇率の見通しが1・6%にとどまり、2%目標の達成がさらに遠のいたためだ。

 従来は「当分の間」としていた時期を具体化するなど何らかの手を打たなければ、市場で日銀が2%目標を諦めたとの見方が広がって利上げなど政策正常化観測が再燃し、日米の金利差縮小を見込む円高が進むことを恐れた可能性がある。

 一方、米中貿易摩擦のあおりを受けた世界的な景気減速が広がるなか、足元のでは正常化よりも追加緩和を予想する声の方が多い。

 会合では海外経済の動向や10月の消費税増税の影響で国内景気が後退に向かうリスクを懸念する意見に加え、「(令和という)新しい時代にデフレ不況を繰り返してはならない。追加緩和論にも相応の妥当性がある」など金融緩和の強化を求める声が複数上がった。

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