海外情勢

印の巨大市場に日本注目 スタートアップ企業がIT拠点視察

 インドでIT産業の中心地となっている南部ベンガルール(バンガロール)に、創業から間もない日本の「スタートアップ企業」が熱い視線を注いでいる。経済成長を続ける人口13億超の巨大市場に商機を見いだそうとするが、インド国内の激しい競争にさらされる現実もある。

 ベンガルールにある病院「マズムダルショー医療センター」に2月、日本からスタートアップ企業10社の経営者らが訪れた。日本貿易振興機構(ジェトロ)が募集した現地視察に参加したメンバーだ。同病院は手術にロボットを導入し、併設する研究施設ではインドのスタートアップ企業が新製品やシステムの開発を進めている。

 施設内のホールで、医療系の分野を扱う日本の経営者らが人工知能(AI)を利用した診察アプリなど開発内容を医師らに紹介。医師からは診療現場で活用する上での改善点などが指摘された。小型超音波エコーを扱うレキオ・パワー・テクノロジー(那覇市)の中野遼太郎さんは「将来のインド市場進出を考える上でとても役に立った」と話す。だが、ハードルは決して低くない。ポール・サリンズ副院長は「日本は高い技術力を持ち魅力的だ」と話すが「医療現場のニーズは常に変化しており、参入しようとする起業家の競争も激しい」とも指摘する。

 この日、インドの投資家を招いた事業説明会では、日本の経営者に対し収益などばかりでなく「国際展開のビジョンはどうか」「似たようなアイデアを持つ他社との違いは」といった質問が飛んだ。参加者の一人は「スピード感に圧倒された」と振り返った。

 インド民間シンクタンクの調査によると、IT関連を中心に創業したばかりのスタートアップ企業は国内で7200~7700社に上り、うち4分の1がベンガルールに集まる。スタートアップの数はインド全体で年に約1割ずつ増えているとされるが、倒産するケースも少なくない。

 ジェトロ・ベンガルール事務所の鈴木隆史所長は「インドで最前線の動きを体感し、今後の事業展開に役立ててほしい」と話した。(ベンガルール 共同)

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