日米両政府は21日、米ワシントンで貿易交渉の事務レベル会合を開いた。米国は、環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)発効で米輸出業者が不利になったとして日本の農業市場の早期開放を要求し、日本との隔たりが鮮明になった。日本政府によると、米政府が国内法上の発動準備を終えた自動車関税は、政治的な判断を伴う問題だとして議論されなかった。
両政府は27日の東京での首脳会談前に閣僚会合を開く方向で調整中だ。電話協議となる可能性もある。
会見した渋谷和久政策調整統括官によると、今回は閣僚会合に備え、農産品や工業製品の関税の扱いについて論点を整理した。米通商代表部(USTR)のゲリッシュ次席代表から「(日米の立場に)まだまだ開きがある」との見解が示されたという。
農業分野を先行して妥結させたい米国と、米自動車市場の関税引き下げを条件とする日本とで交渉方針の相違が浮き彫りになった。
トランプ米大統領は17日、自動車の輸入が「米安全保障を脅かしている」と認定した。ただ、日米はすでに貿易交渉中は対抗措置の発動を控えることで一致しており、今回の交渉でも「かなり政治レベルの話なので事務方では扱わない」(渋谷氏)として話し合わなかった。(ワシントン 塩原永久)
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【用語解説】日米貿易交渉
昨年9月の日米首脳会談で農産物や工業製品の関税交渉開始が決まった。トランプ米大統領は対日貿易赤字の解消を図るため、牛肉や豚肉など農産物の対日輸出を増やしたい考え。日本は米国に対する農産物の関税撤廃や引き下げが環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)など過去の協定を超えないことを前提に交渉開始を了承。米側は自動車の輸出数量規制を求めないと説明。交渉中は自動車への追加関税を日本に発動しないことも約束している。(共同)