国内

インフラ投資の国際原則を採択へ

 政府はG20首脳会議(サミット)で、新興国に対する「質の高いインフラ投資」を促すための国際原則を採択する方針だ。「透明性」「開放性」などの文言を明記し、国際社会共通の高水準なルールを作る。新興国へ過剰な貸し付けを繰り返し、返済不能に陥った国からインフラを奪うなどして「サラ金(消費者金融)と同じ」(麻生太郎財務相)と批判される中国を牽制(けんせい)する。

 G20でインフラ投資に関する国際原則を採択するのは初めて。まず、6月8、9日に福岡市で開くG20財務相・中央銀行総裁会議でまとめ、その上でサミットで採択する。

 原則に盛り込むのは、適正な入札手続きで調達を行うなどの「透明性」や、完成したインフラをだれでも利用できる「開放性」、資金を借りている国の返済能力に配慮する「債務の持続可能性」-など。

 たとえば、2016年9月に中国・杭州で開かれたG20サミットでも首脳宣言に「質の高いインフラ投資」を盛り込んだが、財務省の浅川雅嗣財務官は5月の産経新聞のインタビューで「『透明性』『開放性』『債務の持続可能性』といった重要な要素が抜けていた」と指摘。これらを今回の国際原則に盛り込み、「質の高いインフラの明確なイメージを作りたい」と話した。

 今回の国際原則に対しては、中国も「表向きは賛同している」(政府関係者)という。だが、実際に守らせるためには日本をはじめとする国際社会の強い意思が必要となる。(山口暢彦)

Recommend

Ranking

アクセスランキング

Biz Plus