海外情勢

ネスレ・フィリピン、包装材の100%再利用可能に 2025年目標

 ネスレ・フィリピンは、自社製品の包装を2025年までに100%再利用可能なものにする目標を打ち出した。現地経済紙ビジネスワールドが伝えたもので、同社は取り組みにおいてフィリピン政府などからの協力も求めている。

 ネスレ・フィリピンが同国で展開する食品ブランドは「ネスカフェ」や「コーヒーメイト」「ミロ」など。同社のカイス・マルズキ会長兼最高経営責任者(CEO)によると、これまでに包装材の75%を再利用可能なものにした。

 マルズキ会長は新たな取り組みについて、「プラスチックはいま、フィリピンにとって重大な問題となっている。2025年までに全ての包装を再利用可能なものにすることが目標だ。他の企業や政府とも連携し、循環可能な経済をつくり上げたい」と語った。

 同国の首都マニラでは先ごろ、海洋プラスチックごみの現状などについて話し合う会議が開催された。世界銀行のフィリピン担当、アガタ・ポーロースカ局長代行は会議冒頭、「フィリピンは現在、プラスチック管理では世界で最も進んでいない国」と述べたうえで、「フィリピンの海域に漂うなどしているプラスチックごみの統計は十分ではない。分かっているのはそれが増え続けていることで、早急な対応が必要だ」と指摘した。

 フィリピン議会では2018年12月、食料品の袋や食品包装、ペットボトル、ストロー、カップ、小さな袋などの使い捨てプラスチック製品の全国的な禁止法案が提出されている。(シンガポール支局)

Recommend

Ranking

アクセスランキング

Biz Plus