世界銀行は4日、世界経済見通しを発表し、2019年の世界全体の実質経済成長率は2.6%と予測した。
1月時点から0.3ポイントの大幅な下方修正。激しさを増す米中貿易摩擦の影響が波及するとみられ、ユーロ圏などの成長率が下振れした。日本は0.8%で0.1ポイント引き下げた。
トランプ米政権は中国に対する制裁関税拡大に加え、メキシコにも不法移民の抑制策を求めて関税を課す構え。発動すれば成長は一段と鈍化する公算が大きい。
日米欧に新興国を加えた20カ国・地域(G20)は8~9日に福岡市で財務相・中央銀行総裁会議を開く。減速感が漂う世界経済の成長をどのように上向かせるのかが議題の一つになりそうだ。
世界成長率は0.1ポイント引き下げた1月時点に続き、再び下方修正した。「貿易摩擦が一段と激化する可能性」など景気の下押しリスクを警戒。成長率は18年の3.0%から低下し「依然として弱く、政策余地も限られる」と先行きに懸念を示した。世界貿易の伸び率も2.6%とし、1.0ポイント下方修正した。
日本は想定よりも成長が伸び悩むと分析。今年10月に予定される消費税率引き上げは成長を鈍化させる可能性があると指摘したが、20年は0.7%と前回予測を維持した。