骨太

経済界、雇用の取り組み評価 社会保障改革には注文

 閣議決定された骨太方針や成長戦略などについて、経済界からは雇用をめぐる政策を中心に総論として評価する声が上がった。ただ経済界のトップらは企業の自主的な取り組みの重要性も強調。社会保障制度改革に関しても、本格的な議論を求める声が相次いだ。

 経団連の中西宏明会長は21日、デジタル革新により社会課題を解決する「『ソサエティー5・0』の実現の加速が前面に打ち出され、成長力の強化や人づくり革命の推進などが盛り込まれた」と評価するコメントを発表した。

 今回打ち出された一連の政策は、就職氷河期世代への就労支援や勤務地や職務内容などが限定される「ジョブ型正社員」の普及といった雇用関連が中核。中でも「70歳までの就業機会確保の企業の努力義務」は、人手不足への対応に加え、社会保障で「支払う側」を増やす観点からも、経済界は総論として賛成する。

 実際、企業の間では先取りの動きもある。りそな銀行などは、60歳定年後に希望すれば原則、65歳まで再雇用する現行制度を、今年10月、70歳まで引き上げる。長く働きたいベテランのノウハウや経験を生かす狙いだ。

 ただ、高齢になれば健康状態や働く意欲の個人差も大きい。このため「すべて強制ではなく、継続(雇用)かどうかの自由度は企業側がもつべきだ」(経済同友会の桜田謙悟代表幹事)、「全部とはいかず、企業側も多様性を用意する必要がある」(経団連の中西会長)との指摘もあがる。

 また日本商工会議所の三村明夫会頭は「社会保障への国民の不安は大きい」として、本格的な議論を要求。経済同友会の桜田代表幹事も「将来世代のために、負担構造の見直しなど痛みを伴う改革にも踏み込むべきだった」と指摘した。(上原すみ子)

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