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自由世界のルール 守り整えよ 28日からG20 竹中平蔵氏が重要性指摘

 リーマン・ショック後、世界経済が緩やかに回復するようになると、20カ国・地域(G20)の存在感は薄れてきた。しかし、昨年の中ごろから米中対立が決定的になり、戦後を規定してきたリベラル・ワールド・オーダー(自由な世界秩序)が根底から揺らいできた。その中で行われる今回のG20首脳会議(サミット)は、きわめて重要だ。

 日本は初の議長国を務めるが、安倍晋三首相は主要7カ国(G7)で2番目に在任が長いリーダーで、世界からの信頼があつい。米中との関係では、地理的に両国の間にある上、米国とは同盟国、中国とは互恵の関係だ。リーダーシップを持って大きな役割を果たすべき重要な立場にある。

 最も重要な役割は、自由な世界秩序のルール・シェイパー(ルールを整える国)になることだ。ルールを作るのでなく、守り、整備していく。これまで安倍政権の外交でもその役割を果たしてきており、米国離脱後の環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)をまとめ上げたのは一例だ。

 取り組むべき問題は多岐にわたるが、特に2点に日本の役割を期待したい。一つ目は、世界がビッグデータで競争するようになり、米中対立が激しくなっている問題だ。

 米国は自由な経済運営の下、GAFA(グーグル、アップル、フェイスブック、アマゾン・コム)のような巨大企業を生み出し強くなった。一方、中国は国家資本主義の下でBAT(バイドゥ、アリババ、テンセント)を生み出し、米国の技術覇権を脅かすようになっている。日本は「データをできるだけ自由に活用し、強い経済を作ろう。しかし、背景には信頼が必要だ」と主張しているが、今回、データに関し、新しい議論を始めることが大きなポイントとなる。

 2つ目は環境問題だ。プラスチックごみによる海洋汚染に関しても、日本は思っていたような環境先進国では決してないことが明らかになってきた。議長国としてリーダーシップを発揮し、こうした問題に継続的に取り組む新しい仕組みを打ち出すことなどが、G20の未来にも日本にも、重要になるだろう。

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【プロフィル】竹中平蔵

 たけなか・へいぞう 一橋大卒。米ハーバード大客員准教授、慶大教授などを経て2001年、小泉純一郎内閣で経済財政担当相に就任後、金融担当相、総務相などを歴任。16年4月から東洋大教授。博士(経済学)。68歳。和歌山県出身。

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