国内

農水ファンド、92億円の赤字を株主に説明 元役員の退職金は先送り

 農林水産省が所管する官民ファンド「農林漁業成長産業化支援機構(A-FIVE)」の定時株主総会が26日、東京都内で開かれ、民間企業も含めた株主に対し、累積赤字が平成30年度末時点で約92億円に膨らんだことなどを説明した。

 A-FIVEは平成25年の設立以来、農林漁業者が生産から加工、販売までを手掛ける「6次産業化」を資金面で後押ししてきた。だが、計画通りに投資先が伸びず、出資先企業の黒字化も思うように進んでいない。農産物の海外販路開拓を目指して出資した先の企業が昨年秋に破綻し約6億円の損失を出すなど、累積赤字が拡大。この投資案件を担当し、25日付で退任した元役員に対する退職金の支払いを先送りしたことも明らかにした。

 ただ、総会後の記者会見で光増安弘(みつますやすひろ)社長は「投資案件で(農業分野の)事業を安定させるには10年かかる」と強調した。

 運用成績に関係なく、固定額で支払っていた役員報酬や退職慰労金の制度の見直しについては、「農林水産省の指導を踏まえて精査する」として結論を保留。「1カ月程度で決める」とした。業績連動の仕組みを9月にも導入する検討を始めたことも明らかにした。

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