日本政府による輸出規制強化を受け、韓国政府高官は7日、財閥トップらと会い、状況把握に乗り出した。文在寅(ムン・ジェイン)大統領も10日に財閥トップらと直接会談する予定で、どのような対処方針を打ち出すかに注目が集まっている。韓国政府は日本側が対象品目を拡大する可能性も視野に、日本製品への依存度の調査にも着手した。
韓国メディアによると、洪楠基(ホン・ナムギ)・経済副首相兼企画財政相と大統領府の金尚祚(キム・サンジョ)政策室長は7日、半導体大手SKハイニックスを傘下に置くSKグループの経営トップ、崔泰源(チェ・テウォン)会長らとソウルで昼食会を開き、日本の規制強化への対策について議論した。
韓国政府は対日依存脱却を念頭に半導体の材料や部品、設備の国内開発に毎年1兆ウォン(約920億円)規模を集中投資する方針。近く半導体の材料や部品の輸入先の多様化、国内調達網の強化に関する具体的対策を発表する予定。昼食会では政府の支援策についても協議された可能性がある。
半導体大手のサムスン電子の李在鎔(イ・ジェヨン)副会長は7日午前から日本に出張したため欠席した。日本の規制強化を受け、日本の経済界要人と会談するのが目的との見方がある。
聯合ニュースによると、韓国政府は自動車や電子製品、化学素材などのメーカーを対象に、日本製品への依存度や代替可能性について調査を実施。国産率の低い製品を洗い出し、事前に対応策を練る狙いとみられる。
韓国政府は日本の規制強化について「国際法違反は明白」として世界貿易機関(WTO)への提訴を検討。不当性を国際世論に訴えるとしている。(ソウル 共同)