国内

輸出手続き厳格化 対韓国、政府「過剰反応しない」

 対抗措置に影響限定的と冷静

 日本政府は、韓国政府が安全保障上の輸出管理で優遇措置を取る国のグループから日本を除外すると発表したことについて「過剰反応はしない」(外務省幹部)との立場だ。15日に日本の植民地支配からの「解放」を記念する「光復節」を迎える韓国国内の動向を見極めた上で、対応を検討する考えを示した。

 日本の輸出規制強化への対抗措置であれば、世界貿易機関(WTO)協定違反だというのが日本側の認識だ。

 世耕弘成経済産業相は13日までに、韓国政府が日本側の対応に関し、国際的な輸出管理体制の基本原則から逸脱していると指摘したことなどにツイッターで反論。「何を根拠に日本の輸出管理制度が輸出管理レジームの基本原則にのっとっていないと言えるのか全く不明です」と投稿した。佐藤正久外務副大臣は12日、ツイッターで韓国側の対応について「どのような理由なのか細部を確認する」とした。

 日本は、韓国の貿易管理の在り方が客観的に見て不十分として優遇除外の措置に踏み切った。WTOでは保護主義的な行動を防ぐためのルールを定めているが、安全保障などの一部では例外が認められている。今回の韓国の対応に対しては「正当な理由がなく恣意的な側面が強い」(政府関係者)との受け止めだ。実務を担当する経産省は安全保障関連の貿易管理に百数十人の人員を投じるなど十分な体制を敷いていると説明している。経産省は、国内企業に大きな影響はないとみて冷静に分析しており、事実関係などの情報収集を急いでいる。

 一方、米国は北朝鮮の非核化問題などを抱える中で日韓の対立激化が安保協力に影響を与えかねないと懸念している。今月下旬にフランスで先進7カ国首脳会議(G7サミット)があり、それに合わせて日米首脳会談が行われる可能性が高い。日韓対立も議題になりそうで、日本は難しい対応を迫られそうだ。

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