海外情勢

中国からの投資拡大に懸念 ベトナム、ローテク移転で環境リスクも

 ベトナム当局が発表した2019年1~5月の外国からの投資額は前年同期比69%増の167億ドル(約1兆7600億円)と、同期間としてこの4年で最高だった。とりわけ中国企業からの投資が加速しており、環境リスクなどから中国からの低水準な技術力(ローテクノロジー)の移転に懸念を示す向きもある。国営ベトナムニューズが伝えている。

 ベトナム計画投資省傘下の外国投資庁が発表したデータによると、中国からの投資は全体の42.5%を占めた。同庁は中国企業による投資の拡大について最新報告で、「中国と米国の貿易における緊張の高まりが、中国の投資変化に大きな影響を与えている」と指摘している。

 実際、中国本土および香港からの投資は、17年の37億ドルから18年には58億ドルに増え、19年は1~5月だけで71億ドルに達した。投資元の中国企業は中小企業が主体だが、足元では複数の大企業が大規模プロジェクトに資金を提供する動きも出るようになった。

 今年1~5月の7大外資プロジェクトも5つは中国企業によるもので、2億8000万ドル規模のスチール・タイヤ製造や2億6000万ドル規模の電子装置およびマルチメディア・オーディオ製造、2億1440万ドルのタイヤ、ゴム製造などが代表的なものだ。

 ベトナム外国投資庁はこうした中、中国企業が自国において技術を向上させる一方で、低水準の技術をベトナムを含む途上国に移転させてくることに強い懸念を示している。環境汚染のリスクや、ベトナムのインフラ・社会に悪影響を及ぼす可能性があるためで、中国の投資家によるベトナム企業のM&A(企業の合併・買収)への警戒も高まっている。

 ベトナム外資系企業協会のグエン・マイ会長によると、今年1~5月の外国からの投資では香港からが50億8000万ドルと最多で、投資額のうち4分の3はベトナム現地企業の株式の購入に充てられたという。同氏は「質の高い外国投資を確実にするため政策の調整が必要だ」と指摘している。(シンガポール支局)

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