国内

7月の貿易統計 対米輸出増、旺盛なアメリカの個人消費

 7月の貿易統計では、中国向け輸出が5カ月連続で前年水準を下回る一方、対米輸出は10カ月連続で増加した。米中貿易摩擦の中にあって、力強い米国経済の実態が浮き彫りとなった。

 貿易統計によると、7月の対米輸出は1兆3554億円で前年同月に比べ8.4%増加した。対米輸出は昨年10月から一貫して前年の水準を上回っており、5カ月連続で減少している対中とは対照的だ。輸出品で最も多いのは自動車で全体の27.8%を占め、前年同月比でも1.5%増えた。

 対米輸出の増加は、米国経済の堅調さによる。米中貿易摩擦が激化しているにもかかわらず、米国の個人消費は旺盛で、日本からの自動車輸出の増加も強い個人消費に支えられる。個人消費は米国の国内総生産(GDP)の約7割を占めるとされ、みずほ総合研究所の小野亮主席エコノミストは「人手不足で雇用が伸び、所得も増えている中で、個人消費が米中摩擦の影響をはね返している」と話す。米商務省が15日に発表した7月の小売売上高も前月比0.7%増の5235億1400万ドル(約55兆5000億円)で、5カ月連続のプラスとなった。

 一方、中国経済はIT関連の生産などを中心に減速傾向にあったといい、そこに貿易戦争の影響も加わって、景気の減速に拍車がかかり、日本からの輸出も減少した。

 ただ、米国も楽観はできない。これまで対中制裁関税の対象は原材料や機械などの資本財が中心だったが、9月から順次発動される制裁関税「第4弾」の対象品目は約7割が消費財とされる。関税が引き上げられることで輸入品の価格が上がって家計負担が増し、米国経済を牽引(けんいん)してきた個人消費を直撃しかねないからだ。小野氏も「深刻な先行き不透明感で株価が下落するなどして、さらに消費意欲を冷やし、米国経済の成長が鈍化する可能性もある」と警鐘を鳴らしている。(蕎麦谷里志)

Recommend

Ranking

アクセスランキング

Biz Plus