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超低金利でも円高ドル安が進んでしまう不思議 日本経済に暗雲 (2/3ページ)

 円高圧力の要因は「円キャリートレード」の巻き戻し

 ドル高・円安の流れに、円キャリートレードの増加は大きな影響を与える。特に、ヘッジファンドなどの大口投資家は大規模にキャリートレードを行うことが多く、相場の方向性に影響を与えやすい。

 反対に、米国経済の先行き懸念が高まるなどして不確実性が高まると、投資家はリスクを避ける。具体的には、保有していたドルを売却して円を買い戻し、リスクを抑制する。この円キャリートレードの巻き戻し(解消)は、円高圧力を高める主な要因だ。

 8月に入ってからの円高にも、円キャリートレードの巻き戻しが影響している。世界経済の先行きの不透明感が上昇しリスク回避から円が買い戻された。FRBをはじめとする海外の中央銀行が従来以上に金融緩和を進めざるを得ないとの見方も増えている。

 中国からは急速かつ大規模に資金が流出

 多くのリスク要因がある中でも、米中貿易摩擦の動向は重要だ。中国経済は成長の限界を迎えており、その上に米中摩擦が激化している。大統領再選を目指すトランプ氏は、基本的には中国に圧力をかけて支持率を高めたいはずだ。一方、中国の習近平国家主席は、景気悪化などを理由に党内からの批判や国民の信頼感低下に直面している。

 一時的に、米中が部分的な制裁関税の先送りと農産物購入の拡大などの妥協点を見いだし、休戦協定が結ばれることはあり得る。ただ、中国の補助金政策や技術の強制移転問題などの根本問題に関して、米中の合意は難しい。

 この状況下、米国の制裁関税の回避などを理由に米アップルなどは中国の生産拠点を他の新興国に移している。それが世界のサプライチェーンを混乱させ、中国を中心に世界の製造業の景況感が悪化している。

 中国経済の減速懸念は一段と高まり、中国からは急速かつ大規模に資金が流出している。中国人民銀行(中央銀行)は為替介入を行い、必死になって人民元の下落を食い止めているのが実情だ。また、香港では反政府デモが激化している。この問題をめぐっても米中の意見が対立し、市場参加者は警戒感を強めている。

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