一方、島根銀は超低金利による利ざや(貸出金利と預金金利の差)の縮小で本業の貸し出し業務が低迷。平成31年3月期決算は本業のもうけを示すコア業務純益(単体)が3億8900万円の赤字と3期連続マイナスで、収益改善に向けたコスト削減を急いでいた。
地銀の苦境は島根銀だけの話ではない。貸出業務に加え、収益の柱と期待した投資信託や外貨建て保険の販売が米中貿易摩擦の激化による市況の悪化で低迷するなど、稼ぐ力が衰えている。日本銀行の試算では、10年後に約6割が最終損益で赤字に陥る見込みだ。
このため総資産で地銀首位の横浜銀行(横浜市)と3位の千葉銀行(千葉市)が業務提携するなど合従連衡が加速している。政府も独占禁止法の適用を除外する特例法を整備して再編を後押しするとしており、地銀業界は大きな変革期を迎えている。(田辺裕晶)