株価・外為

「1ドル100円割れ」でも、まったく驚かない理由 「異常な円高」ごく短期 (3/4ページ)

 米国家計の債務残高は過去最高水準に

 ただし、未来永劫、経済が右肩上がりの成長を続けることはできない。個人消費もしかりだ。すでに米国経済が減速している中、個人消費も徐々に鈍化する可能性がある。それに加え、家計の債務残高が増えている。これは、消費を圧迫する要因の一つだ。

 6月末の時点で米国家計の債務残高は13兆8600億ドルに達した。これは、過去最高水準だ。クレジットカードローンの返済延滞も増えている。ここから先、個人消費が一段と勢いづくことは想定しづらい。

 今すぐではないにせよ、米国経済が景気後退局面に移行する可能性は徐々に高まっている。長短の金利が逆転した状況が続く場合、米国経済の先行き懸念は高まるだろう。それに伴い、ドル/円の為替レートにも徐々に円高圧力がかかりやすいと考えられる。

 トランプ大統領はFRBに「利下げ」を行わせたい

 先行き不透明感が高まる中、FRBのパウエル議長は、基本的には金融緩和を重視している。しかし、FRB関係者の見解が、一つにまとまっていない。これは、一時的にドル/円の為替レートを上下に変動させるだろう。

 7月末のFOMC(連邦公開市場委員会)では、2名の地区連銀総裁が利下げに反対票を投じた。彼らは総じて米国経済は回復のモメンタムを維持し、利下げは必要ではないと考えている。また、金融緩和に関するFRB関係者の考えにも濃淡が感じられる。FOMC参加者の見解をどうまとめられるか、パウエル議長の力量が問われる。

 一方、市場参加者は9月のFOMCでの利下げを既定路線と考えている。さらに年内に追加の利下げを予想する市場参加者も増えている。本当にそうなるか否かは、為替相場に大きく影響する。トランプ大統領が繰り返しFRBにさらなる利下げを求めていることも、市場参加者がFRBの追加的な利下げを期待する一因だろう。トランプ大統領はFRBに利下げを行わせて米国の株価を支え、有権者の支持を獲得しておきたい。

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