太陽の昇る国へ

今、香港で起きているのは… 幸福実現党党首・釈量子

 --混迷を極める香港情勢をどう見ていますか

 香港市民が抗議を続けていた「逃亡犯条例」改正案について、4日、林鄭月娥(キャリー・ラム)行政長官が完全撤回を表明しました。撤回を受け、ダウ平均株価は急反発しましたが、民主活動家らはむしろ反発を強めています。

 改正案への反対デモが本格化しておよそ3カ月がたちましたが、この間、多くの負傷者や逮捕者が出ています。デモを「暴動」と呼び、逮捕者の釈放要求にも応じない香港政府に対し、民主活動家たちは今後も戦いを続けていくでしょう。

 --実際に香港デモを視察してきたそうですね

 民主化運動のリーダーたちの逮捕を受け、党として中国大使館前で緊急の抗議活動を行いました。その後、香港に飛び、市内のスタジアムで行われた「賛美歌を歌う」集会に参加し、市民や議員、識者から話を聴いて、香港の自由を守るために断固声を上げるという強い意思をはっきりと感じました。

 一部国内メディアでは、デモ隊を「暴徒」と表現していますが、断じて「暴徒」ではありません。昼は親子連れも見られ、愛と平和を基調とした理性的な活動でした。急な雨に降られた私に、デモ参加者の若いカップルが傘をくれて、2人は相合い傘で去っていきました。

 むしろ警察の取り締まりが信じられないくらい厳しくなっています。香港の地下鉄では、丸腰で無抵抗の市民を警察が激しく殴打する「事件」が起き、その様子がネットで拡散されました。香港でも監視社会化が進んでおり、監視カメラを通じて身元が特定される危険も覚悟で、顔を隠しながら活動しています。普通の市民たちが、自由を守るために戦っているのです。

 香港は1997年に英国から返還されるにあたり、50年間は「一国二制度」を維持することが約束されていました。しかし、ここ数年は中国が香港への圧力を強め、独立派候補が議会で立候補できなくなるなど、香港の自由と民主主義は危機にひんしています。北京政府は明らかな約束違反をしているのです。

 今、香港で起きているのは、デモでもなく暴動でもありません。迫りくる全体主義に対して、自由の創設を行う「香港革命」そのものなのです。

 --香港と境界を接する広東省深セン市には、数千人規模の武装警察が集結していると報道されています

 10月1日には、中国建国70周年を迎えます。それまでに北京政府が武力鎮圧に動かないとも限りません。香港で、民主派の議員に「第2の天安門事件は起きるか」と問いかけたところ、「北京政府は何をするか分からないから、楽観はできない」と答えていました。

 こうした状況に対し、日本は無関心です。政府は経済的利益を優先し、来春、習近平国家主席に国賓としての訪日を要請していますが、大変恥ずかしいことだといえます。香港の危機は今後、台湾、沖縄に波及すると考えています。その意味で、香港市民たちは中国の全体主義を抑止するため最前線で戦っているという認識が必要です。

 --日本が取るべき道は

 まずは政府として、中国による覇権主義を抑止するとの立場を明確にし、香港を守るための国際世論形成に協力すべきです。北京政府が武装警察や人民解放軍によるデモ隊の弾圧に動いたなら、即座に中国への経済制裁を実施するとともに、およそ2万5000人の在留邦人を保護するため、米国、英国などと連携し、香港沖の公海上に艦船を展開するなどの手を打つべきです。これは、中国の人権弾圧への抑止力ともなり得ます。

【プロフィル】釈量子

 しゃく・りょうこ 1969年、東京都生まれ。国学院大学文学部史学科卒業。大手家庭紙メーカー勤務を経て、94年、宗教法人幸福の科学に入局。常務理事などを歴任。幸福実現党に入党後、女性局長などを経て、2013年7月より現職。

Recommend

Ranking

アクセスランキング

Biz Plus