海外情勢

豪、広がる異世代ホームシェア 高齢者の生活を手助け

 住宅の賃料が高いオーストラリア南東部の都市メルボルンやシドニーなどで、高齢者が自宅の空き部屋を年下世代に無償提供し、日常生活を手助けしてもらう「異世代ホームシェア」が広がっている。コーディネーターが高齢者と入居者の“相性”も確認。家族と暮らすような安心感を得られると好評だ。

 メルボルンの一軒家に住む中国系のローズ・スタウトさんは2014年、夫に先立たれた。1人暮らしを余儀なくされ、離れて暮らす子供たちから高齢者施設への入所を勧められたが「住んでいる地域が大好きで、離れたくなかった」という。

 地元の在宅ケア専門家から、ホームシェア制度を知らされて登録。関節炎を患い、食事の準備や自宅外への移動が難しいため、料理好きで外出の際に車で送迎してくれる入居者を希望した。家を探していたギリシャ出身の女性、オリンピア・アレクソポリスさんを紹介された。

 コーディネーターがそれぞれ面接して条件に見合うか確認した後、2人を引き合わせた。警察による身元照会も経て、15年に同居を開始。スタウトさんは2階建ての1階、アレクソポリスさんは2階で生活している。1階にある居間や台所は共有スペースだ。

 「得意なギリシャ料理だけでなく、中国風のおかゆも作ってくれる。週数回の外出も送り迎えしてくれて本当にありがたい」とスタウトさん。「高齢の身に何か起きても彼女がすぐに見つけてくれる」と話し、共同生活を楽しんでいる様子だ。

 アレクソポリスさんは「長く一緒にいて、すっかり家族になったみたい」と応じた。時々訪ねてくるスタウトさんの子供たちとも親しくなり、ワインを片手に語らう。家計の足しにと、自主的に月160豪ドル(約1万2000円)をスタウトさんに渡している。

 いつまでホームシェアを続けたいかスタウトさんに尋ねると「ここをついのすみかにするためにも、できる限り長く」と笑顔を見せた。

 ホームシェアをコーディネートするベリス・キャンベルさんによると、入居者には静かな勉学環境を望む大学院留学生が多い。高齢者の手助けにも積極的という。夫婦が入居者を募るケースもある。どちらかが認知症などを患っている場合、介護する方が孤独感を抱える傾向にある。その解消のため、2人きりにならないことが有効だという。(メルボルン 共同)

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