ストローの割合は0.1パーセント
現在、世界で海洋流出するプラスチック廃棄物は年間800万トンとされ、そのうち、ストローの割合は0.1パーセントだ。
プラストローの代替品として紙や木、竹製なんてものも開発されているが、コストは10倍から50倍ほどになり、最終的に販売価格へ上乗せされて私たち消費者が負担することになる。
そもそもこの問題の本質とは、私たちの生活から出されるプラスチック製品も含めた廃棄物自体をできるだけ減らすことなのではないか。廃棄物が土壌や水質汚染を招く要因の1つだろうし、埋立地も無制限にあるわけではない。
また、プラスチックは原油から作られたものなので、徹底して回収してしっかりと燃焼させてエネルギーにすればよいとプラストロー国内シェアの半分を誇る「シバセ工業」の磯田拓也社長は見解を示している。
日本のようにごみ分別やリサイクル意識が高い国だと、プラスチックの完全回収を目指して取り組めば、高い割合でプラスチックごみを回収でき、火力発電などへ活用できるだろうし、罰則付きのルールとして、ビーチサイドや河川敷などで特定エリアでのペットボトルやプラスチックコップ、ストロー、レジ袋などの販売、使用を禁止するなどすれば、海洋へ流出するプラごみも減らすことができるだろう。
しかし、日本のレベルで回収できる国は世界にはない。島根県や鳥取県など山陰の海岸へ流れ着くペットボトルは韓国製であったり、そしてその韓国には中国製のペットボトルなどが流れ着いている。
海洋はつながっているので一国の取り組みでは意味がない。完全回収ができないのであれば、脱プラスチックとして、プラスチック製のストローやレジ袋、ペットボトルなどに依存しないライフスタイルを目指す方向へ進めばいい。そもそも本質としてプラスチックを含む廃棄物自体を減らした生活習慣をグローバルで取り組む必要があるのではないか。そう考えると脱プラストローは本質ではなく枝葉の問題でもっと幹の部分へ注目するべきなのではないだろうか。(筑前サンミゲル/5時から作家塾(R))