サウジアラビアの石油施設攻撃で原油供給不足への懸念が高まり、週明け16日のニューヨーク原油先物相場は急騰し、指標の米国産標準油種(WTI)の10月渡しが前週末比8・05ドル高の1バレル=62・90ドルと約4カ月ぶりの高値をつけた。
原油供給の不安定化による世界経済の先行き不安から16日のニューヨーク株式市場では売りが優勢となり、ダウ工業株30種平均は9営業日ぶりに反落し、前週末比142・70ドル安の2万7076・82ドルで取引を終えた。ハイテク株主体のナスダック総合指数は23・17ポイント安の8153・54。
サウジアラビアの石油施設攻撃で、同国の石油日量生産能力の半分に当たる約570万バレルの生産が停止したことから、市場では供給への不安が高まっている。欧州の原油指標である北海ブレント原油先物相場の16日の終値も約15%上昇の1バレル=69・02ドルとなった。
ニューヨーク株式市場では、燃料費がかさむことが懸念された航空株の下落が目立った。米長期金利が低下し、利ざや縮小が意識された金融株も軟調だった。一方、原油高による収益改善の思惑から石油株のシェブロンなどは買われ、相場を下支えした。(共同)