海外情勢

イスラエル極右伸長 「政治と宗教」争点に 17日国会再選挙  (1/2ページ)

 【カイロ=佐藤貴生】イスラエルで17日に行われる国会(一院制、定数120)の再選挙で、政治と宗教の関係をめぐる議論が起きている。ユダヤ教の戒律を厳格に守る「超正統派」への優遇政策を撤廃し、不公平を是正すべきだ-と訴える極右政党「わが家イスラエル」が支持を集めているからだ。議論はネタニヤフ首相の続投の可否を左右する争点になりつつある。

 リーベルマン前国防相が率いる極右「わが家イスラエル」は、4月の選挙で5議席を獲得。同党を含めた右派・宗教勢力は全体で65議席を占めたが、「わが家」はユダヤ教超正統派とは組めないとして連立政権入りを拒否。過半数(61議席)確保を頓挫させ、ネタニヤフ氏が主導した連立協議を不調に終わらせた。

 リーベルマン氏は対パレスチナ強硬派という点ではネタニヤフ氏と同じだが、超正統派については他の国民同様、徴兵義務を課すべきだと主張する世俗派だ。

 超正統派は1948年のイスラエル建国以降、徴兵を免除されてきたほか、政府は神学校での教義研究や生活支援のため、補助金を給付。多くは就労や納税もしていないとされる。イスラエル有力紙の記者は、「1980年代から超正統派の人口増が顕著になり、近年は政治、社会問題として議論が先鋭化していた」と解説する。

 世俗派の間では超正統派への補助金給付のため、負担を強いられている-との不公平感が募っている。

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