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金融政策「リスク予防的対応を」 日銀の黒田総裁、追加緩和前向き

 日本銀行の黒田東彦総裁は24日、大阪市内で講演し、米連邦準備制度理事会(FRB)や欧州中央銀行(ECB)が相次いで金融緩和を決めたことに触れ「リスク予防的・保険的な対応を意識するという点では、日本銀行も同様のスタンス」との見解を示した。物価2%目標に向けた勢いは「維持されている」とする一方で、今後、勢いが損なわれる恐れが高まれば、追加的な金融緩和を辞さない姿勢を改めて強調した。

 講演後の記者会見でも「海外経済を中心とするリスクの高まりを踏まえたうえで、金融緩和について前向き」であると明言した。一方、10月30、31日の金融政策決定会合で行われる経済・物価動向の点検について、米中貿易摩擦の情勢などにより世界経済がめまぐるしく変化していることから、「現時点で予断を持っていない」とも述べた。

 この日、黒田氏は関西経済団体の幹部と懇談。関西経済連合会の松本正義会長(住友電気工業会長)は、関西には中国と結びつきの強い企業も多いとし、「米中貿易摩擦の影響について目配りを願いたい」などと要望した。黒田氏は「関西経済のゆるやかな拡大基調に変化がみられないか、丹念に経済動向を調査していきたい」とした。

 大阪商工会議所の尾崎裕会頭(大阪ガス会長)は、10月1日の消費税増税後の景気減退や円高への懸念を示し「経営者が日銀の金融政策に対する信頼性を維持できる力強いメッセージを発してほしい」と述べた。

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