日韓の財界人が集まる日韓経済人会議が24日開幕し、両国政府に対して関係修復を求める声が相次いだ。主催団体の韓日経済協会の金●会長(三養ホールディングス会長)は「日韓関係が厳しい時期だけに、経済人の使命感と覚悟が求められる」と訴えた。
日韓経済協会の佐々木幹夫会長(三菱商事特別顧問)は「日韓関係は出口が見えない極めて厳しい状況」とした上で、「経済と政治・外交は車の両輪で、両国間の政治・外交問題の修復はどうしても必要」と求めた。日本製品の不買運動にも言及し、日本企業だけではなく、韓国の消費者にもダメージを与えていると憂慮した。
韓国政府を代表して出席した産業通商資源省の兪明希(ユミョンヒ)通商交渉本部長は、自由貿易の推進に向け、東アジア地域包括的経済連携(RCEP)交渉を進めるべきだとの認識を示した。兪氏は、第三国でエネルギー開発における協力などを挙げた上で、韓国にも『雨降って地固まる』とのことわざがあることを披露し、「日韓の経済関係はいっそう強固になる」と述べた。古賀信行副会長(野村ホールディングス会長)は「日韓は高齢化とデジタル技術を取り込み社会課題につなげるという共通の課題があり、ビジネスを通じて協力していきたい」とアピールした。
会議には、日本側から約100人が、韓国側から約200人がそれぞれ出席した。
●=金へんに允
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■日韓経済人会議の日本側からの主な出席者
(役職/氏名/主な肩書き)
・会長/佐々木幹夫/三菱商事特別顧問
・副会長/古賀信行/野村ホールディングス会長
・副会長/麻生泰/麻生セメント会長
・(来賓)/長嶺安政/在韓国特命全権大使
(注)役職は日韓経済協会でのもの