菅原一秀経済産業相は26日、液化天然ガス(LNG)の採掘施設などの開発を支援するため、官民で1兆円規模の資金を用意すると表明した。石油と比べ、生産地の地域的な偏りが小さいLNGの供給拡大を促すことで、エネルギーの中東依存の低減を目指す。
26日に東京都内で開かれたLNGの生産国と消費国の政府や企業の関係者が集まる「LNG産消会議」でスピーチした。菅原氏は「新しい供給源とアジアの需要を結び付け、LNG市場の発展を先導する」と述べた。
会議には生産国のオーストラリアやブルネイ、消費量の増加が見込まれるフィリピンやベトナムの閣僚らが参加。原油はサウジアラビアの生産施設が攻撃されるなど、中東依存のリスクが顕在化している。安定供給が期待できるLNGの存在感が増しており、取引市場の将来像についても議論した。
経産省によると、天然ガスの埋蔵量のうち中東が占める割合は2017年末時点で約4割。原油の約5割に比べて低く、ロシアや米国などで新たな開発が進んでいる。LNG産消会議は日本の主導で12年に始まり、今年で8回目となる。